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■ 概要
概要
企業の税務
事業主に課せられる所得税 (Individual Income Tax)
タックス・プランニング(国際所得税対策)
アメリカの贈与遺産税 (Federal Gift & Estate Tax)

概要

ビジネスが始まればすぐに納税義務が生じます。アメリカではほとんどの州でセールス・タックス(Sales Tax) を納めなくてはなりません。また従業員を雇えば源泉徴収の納税義務が生じます。そして、アメリカでは毎年4月15日に確定申告を行います。

また、起業家がアメリカ国内で収入を得れば、連邦所得税(Federal Individual Income Tax)の確定申告をしなくてはなりません。さらにアメリカでのビジネスに成功したら、連邦贈与遺産税(Federal Gift & Estate Tax)の対策が必要になります。このページでは、アメリカの税金制度の概要を説明します。

注意:アメリカには2つの法律システムがあります。ひとつは連邦法(Federal System)と呼ばれるものです。連邦法はすべての州で同じ取り扱いを受ける法律です。したがって、連邦税は住んでいる州に関係無く同一の税金が課せられます。反対にこのページで説明している「セールス・タックス」と「プロパティ・タックス」は州が課す税金です。州によって取り扱いが異なる場合があります。


企業の税務

最低限必要な税務は大きく分けて、(1)セールス・タックス、(2)源泉徴収、(3)法人税申告、(4)固定資産税の4種類です。企業の規模が大きくなって、関連会社や子会社を設立すると移転税制、国際税務(Subpart-F)、連結会計などの税務も必要になります。

セールス・タックス (Sales Tax)
商品を販売した時に顧客から徴収し、定期的に納付します。アメリカのセールス・タックスは州により、また同じ州内でも市によりその税率が異なります。店舗販売のみの小売店やレストランなどの場合は同じ税率を掛けるだけですから簡単ですが、通信販売で他の州へも商品を販売するとなると、販売先のセールス・タックスの税率を調べて計算することになります。
源泉徴収税 (Payroll Tax Return)
従業員を雇っている場合、連邦所得税、州の所得税、ソーシャル・セキュリティー税、メディケア、失業保険、その他の税金を徴収し原則として毎月納めます。そして四半期ごとに申告書を作成して提出。さらに一年ごとの申告が必要となります。アメリカではすべての従業員が自分で確定申告をします。このため、会社が従業員のために年末調整を行う必要はありません。
法人税 (Corporate Tax Return, Partnership Tax Return)
株式会社(C-Corporation)は会社の納税申告(Corporate Tax Return)が毎年必要です。申告は連邦(Federal)と州(State)の両方に対して行います。会社の利益が出ていない場合、原則としてFederalの税額はゼロです。ただし、州には会社の利益と関係なくFranchise Taxとして毎年最低$800支払わなくてはなりません。S-Corporation、パートナーシップ、LLCは原則として会社としての税金を支払う必要はありません。ただし、納税申告書は毎年作成して申告しなくてはなりません。S-CorporationとLLCは会社の利益と関係なくFranchise Taxとして毎年最低$800支払わなくてはなりません。
固定資産税 (Property Tax Assessment)
プロパティ・タックスと呼ばれています。会社が不動産や備品を購入すると課せられます。契約によって異なりますが、オフィスをリースした場合でも借りている面積に応じて地主(Landload)からプロパティ・タックスを請求されるのが普通です。

事業主に課せられる所得税 (Federal Individual Income Tax)

企業の形態が株式会社(C-Corporation)の場合
事業主が会社(C-Corporation)の従業員として働いている場合は、会社から受け取る報酬に対して確定申告をします。また会社はその利益に対しで税金を支払います。
起業家Aは彼が設立したC-Corporationのたった一人の従業員株主です。C-CorporationはAに$50,000の報酬を支払い、支払い後の純利益が$30,000あった場合、C-Corporationは$30,000の収入に対して税金を支払います。従業員株主Aも$50,000の報酬に対して税金を支払います。
企業の形態がC-Corporation以外の場合
事業主がS-Corporation、Partnership、またはLLCを設立し、従業員株主として働いている場合、その企業が得た収益は事業主が申告し納税します。
従業員株主Aと従業員株主Bの2人でLLCを運営しています。LLCは従業員株主Aに$20,000の報酬を支払い、従業員株主Bに$30,000の報酬を支払いました。その後、LLCは$10,000の純利益がありました。もしAとBの利益分配率が50%‐50%と仮定した場合、従業員株主Aは$25,000の所得に対して税金を支払います。$20,000の報酬とLLCの利益の50%です。同様に、従業員株主Bは$35,000の所得に対して納税します。LLCは$10,000の純利益に対して税金を支払う必要はありません。ただし、$10,000の純利益があり、従業員株主Aの取り分が$5,000従業員株主Bの取り分も$5,000であるという旨の申告は必要です。
事業主が所得税法上のResidentとみなされると世界中の所得が課税対象になる
事業主が税法上「アメリカ国内で生活する者」(Resident)とみなされる場合、アメリカ政府はその事業主の世界中の所得に対して課税することができます。事業主がResidentではない場合、アメリカ政府はその事業主がアメリカで得た収入に対してのみ課税できます。
事業主はアメリカの会社から$50,000の報酬を受け取りました。事業主は日本に賃貸マンションを持っていて\4,000,000の家賃収入がありました。もしこの事業主がResidentではない場合、アメリカは$50,000の報酬に対してだけ課税できます。しかし、もし事業主がResidentとなった場合、アメリカ政府は\4,000,000の家賃収入に対しても課税することができます。この場合、事業主は同一の所得に対して、アメリカ政府と日本政府の両方から課税されることになりますが、Foreign Tax Credit(外国税控除)という救済措置があります。
事業主がResidentとみなされるとき
永住権を取得すると、アメリカに滞在した日数に関係なくResidentとして取り扱われます。永住権を持っていない場合、アメリカに滞在した日数が一年間に183日を超えるとResidentとして取り扱われます。この183日の計算方法は過去3年間の滞米日数を加重平均して求めます。簡単な目安として、年間に120日未満アメリカに滞在するのでしたら、永住権を取得しない限り、Resident にはなりません。

タックス・プランニング(国際所得税対策)

所得税のためのタックス・プランニングは事業主のスティタス(ResidentかNon-residentか)によって異なります。

事業主がすでにResidentである場合

事業主がすでにResidentである場合、連邦所得税法上(Federal Individual Income Tax)、アメリカ市民と同一に課税されます。例えば、アメリカに永住している日本人事業主が日本に賃貸ビルを持っていて、\4,000,000の収入がある場合、日本の国税局も、アメリカのIRSもこの\4,000,000に対し課税することができます。税金の二重取りです。この場合、事業主はForeign Tax Creditという制度を利用して、二重取りされる負担を軽減することが可能です。しかし、このForeign Tax Creditという制度は二重取りを完全に解消するわけではありません。軽減するだけなのです。したがって、この制度を有効に使うことがタックス・プランニングの柱となります。

事業主が現在 Non-Residentである場合

事業主が現在 Non-Residentである場合は、Non-Residentのスティタスを維持するか、それともスティタスをResidentに変更するかが問題になってきます。原則として、日本国内での収入がある場合はNon-Residentでいるのが有利です。また、海外信託という方法を使えば、日本にある資産から生じる収益(例えば、利息や家賃収入)をアメリカ政府の課税からはずすこともできます。


アメリカの贈与遺産税 (Federal Gift & Estate Tax)

アメリカには遺産税(Estate Tax)と呼ばれる連邦税があります。人が死んだときにかかる税金です。日本の相続税と異なる点は、アメリカの財産税は死んだ人の財産に課せられます。アメリカでは、原則的に財産を相続した人には税金がかかりません。日本では反対に財産を相続した人が納税しなくてはなりません。

日本人企業家Aがアメリカでビジネスに成功。アメリカに純資産が約百万ドル(約1億1千万円)ある。企業家Aは妻とハワイに永住している。Aも妻も永住権を持っている。Aはすべての財産を妻に相続するつもりでいる。この場合、もしAが死んだ場合、アメリカの遺産税が約34万ドル(約三千八百万円)かかります。そして妻がアメリカに住んでいる期間が十分でない場合、妻は日本の相続税も支払わなくてはなりません。(税額は2004年のもの)

アメリカのEstate Taxは生前のプランニングによって大幅に節税できる方法が色々あります。例えば、上の例では、企業家Aが生きている間に妻が永住権から市民権にスティタスを切りかえれば、アメリカの税金も日本の税金もゼロです。またQDOTという特殊な信託を設立すれば妻は永住権のままでも納税を先送りすることができます。


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